◆パシュトゥーン(パクトゥーン)族

パシュトゥーン族はアーリア系の民族で、イスラム教のスンニー派のハナフィー学派(アフガニスタンのスンニー派は全てハナフィー学派)を信仰し、ヒンズークシ山脈の南・東麓、及びアフガニスタン・パキスタン両国の境界線に沿うスライマーン山脈地方に主に住み、ヒンズークシ以北、つまりトルキスタン地方にも少数が住んでいる。言語は、この民族独自のパシュト語を使っている。人口は約650万人で、これとほぼ同数がパキスタン領内の北部に住んでいる。彼らはアフガニスタンの主要民族で、人口の約半分を占め、政治的にも数的にも有利であり、アフガニスタンという国名が「アフガニスタン(パシュトゥーン)族の地」を意味するように、建国から現代に至るまで彼らがこの国の支配権を握っている。

◆タジク(Tajik)族

イラン系の民族で、スンニー派(一部少数はシーア派のイスマーイール派)を信仰し、人口はパシュトゥーン族の次に多い350万人である。彼らは、公用語・共通語であるダリ語(ペルシャ語を称した呼び方)を使用している。また、旧ソビエトのタジク共和国に同族を持ち、北部を中心に国内各地に住む。

◆ハザラ(Hazara)族

モンゴル系の民族で、シーア派の十二イーマーム派を信仰しているが、一部、また少数はイスマーイール派、スンニー派を信仰。ダリ語を使用し、中央山地を住み家としている。彼らは人口が100万人で3番目に多いにもかかわらず、地位は低く、差別的な扱いを受けている。その一つの理由に、13世紀、モンゴル軍のアフガニスタン侵略で多くの人々が殺され、国土が荒らされたことから、モンゴル系の血を引くハザラ族への差別があると思われる。

◆ウズベク(Uzbek)族

人口は100万人ほどで、スンニー派を信仰し、ウラル・アルタイ語族のトルコ語の一つであるウズベク語を使用している。アフガニスタン北部のトルキスタン地方に住み、旧ソビエトのウズベク共和国に同族を持っている。

◆ファルシーワーン(Farsiwan)族

この民族は「ペルシャ語を話す人」という意味で、その名のとおりダリ語を使用し、シーア派十二イマーム派を進行している。人口は60万人で、イラン国境付近、カンダハール、カズニー、また、南部地方、西部地方に住んでいる。

◆キジルバーシ(Qizilbashi)族

十二イマーム派を信仰し、ダリ語を使用。国内各都市に住み、原来はイランのサフャビー朝を建てた、トルコマン遊牧民の一集団とみられている。

◆モンゴール(Moghol)族

主としてダリ語、モンゴール語を使用するが、少数はパシュト語を使用。人口は数千人程度でスンニー派を信仰し、アフガニスタン中央部ゴール地方や、北部に住んでいる。彼らは、13世紀のモンゴル軍隊の子孫と言われている。これと似た民族にアイマーク(Aimaq)族があり、同じようにダリ語を使用し、スンニー派を信仰している。人口はモンゴール族より多い80万人で、同国の西部地方に住んでいる。

◆トルコマン(Turkoman)族

モンゴロイド系の民族で、トルコ語の一方言である語を使用し、スンニー派を信仰している。人口は約12万5千人でトルキスタンに住み、旧ソビエトのトルクメン共和国に同族を持っている。

◆キルギス(Kirghiz)族

モンゴロイド系の民族で、トルコ語を使用している。人口は数千人ほどでスンニー派を信仰し、アフガニスタン東北部の世界の屋根と呼ばれるパミール山地に住んでいる。彼らも旧ソビエトのキルギス共和国に同族を持っている。

◆パミール(Pamiri)族

パミール諸語を使用し、スンニー派、またはイスマーイール派を信仰している。人口は数千人足らずで、パミール地方に住んでいる。

◆バルーチ(Baluch)族

バルーチ語を使用し、スンニー派である。人口は10万人で、南部砂漠地方に住んでいる。また、イラン東南部のバルーチスタン・シースタン州とパキスタン西部のバルーチスタン州にも住んでおり、そこはバルーチスタンと呼ばれている。

◆ブラフイ(Brahui)族

スンニー派を信仰し、ブラフイ語を使用している。西南部地方に住み、人口は約20万人で、アーリア人が移住してくる以前の住民と言われている。

◆ヌーリスタン(Nuristani)族

アフガニスタンでは特異な民族とされていて、イスラム教徒から見て異教徒という意味のコファール(Kafir)語を使用している。以前はアニミズムと多神教の合体したものを信仰していたが、19世紀末、強制的にイスラム教へ改宗させられた。人口は10万人で、同国東部やヌーリスタン地方に住んでいる。

◆コーヒスタニー(Kohistani)族

インド語派のダルド語を使用し、スンニー派を信仰している。人口は少数で、ヌーリスタン族の南隣に住んでいる。

◆グジャル(Gujar)族

ヒンドゥースタン語の一方言を使用し、スンニー派を信仰。ヌーリスタン東隣に住んでいる。

◆アラブ(Arab)族

住地によって地中海人種、モンゴロイド、またはその混血の人種があり、スンニー派を信仰。ダリ語またはパシェト語、一部はアラビア語を使用している。人口は少数で、同国北部に住んでいる。

◆ヒンドゥー(Hindu)族

インド系の民族で、ヒンドゥースタン語、パンジャブ語、ラーンダ語を使用している。人口は2万人ほどでヒンドゥー教を信仰。彼らのほとんどは大都市の商人や、金融業者をしている。

◆シーク(Sikh)族

ヒンドゥー族と同じ言語を使用し、大部分は同じ職業を営んでいる。人口は1万人で、信仰の自由が認められているシク教を信仰している。

◆ユダヤ(Yahudi)族

大都市の商人や、金融業者が多く、人口は数千足らずで、ユダヤ教を信仰している。